「サウナブーム、そろそろ終わったよね」という会話を、この1年で何度か聞いた。たしかに雑誌の特集は減り、新規オープンのニュースも一時期の勢いはない。ところが今年出た実態調査の数字を開くと、現場で起きていることは「終わり」とはだいぶ違う。むしろ、こう読める——浅い人が減って、深い人が増えている。
全体は横ばい、ヘビー層だけが急増した
日本サウナ・温冷浴総合研究所(日本サウナ総研)が2026年2月に全国1万人を対象に行った「日本のサウナ実態調査2026」によると、サウナ愛好家の総数は約1,500万人で前年度からほぼ横ばい。内訳を見ると景色が変わる。月に4回以上通うヘビーサウナーは約250万人と、前年度の180万人から35%増えた。一方、月1〜3回のミドルサウナーは約410万人で微減、年に数回のライトサウナーも減少傾向。つまり裾野は広がっていないのに、中心部の密度だけが上がっている。関東圏ではヘビーサウナーが約58%増という推計も出ていて、都市部ほどこの「深化」が激しい。
ブームの定義が「新しい人がどんどん入ってくること」なら、ブームは確かに峠を越えた。だが文化の定義が「習慣として生活に根づくこと」なら、サウナはいま、ブームから文化へ切り替わる局面にいることになる。
流行の終わりは、文化の始まりでもある
この構図は、他のジャンルでも繰り返されてきた。ランニングも筋トレも、メディアの熱が引いた後に残った人たちが、施設と大会と専門メディアを支える柱になった。数が減って密度が上がる局面では、市場の主役が「初心者向けの入門商品」から「続ける人のための道具と場所」へ移る。サウナで言えば、イベント的な派手さより、ホームサウナと呼べる行きつけ、交代浴のような家庭での代替手段、そしてサウナ後の眠りまで含めた生活への組み込みだ。ブームの間は「行ったことがある」が自慢になり、文化になると「通い続けている」が普通になる。
KAIFUKUとしては、この転換は歓迎すべきものだと考えている。流行として消費されるサウナより、回復の習慣として根づいたサウナの方が、読者の生活に長く残るからだ。
「深くなる」側に回るための3つ
- ホームサウナを一つ決める。 遠くの有名施設より、通える距離の一軒。頻度は施設の豪華さに勝る
- 混雑と料金が気になるなら、平日夜か朝の時間帯へ。 深い人ほど空いている時間を知っている
- サウナに行けない週は、風呂で代用する。 湯船と冷水シャワーの往復でも骨格は同じ。習慣を途切れさせないことの方が大事だ
高温浴は体への負荷が大きい。体調の悪い日は休み、無理のない範囲で続けてほしい。


