日曜を丸ごと寝て過ごしたのに、月曜の体が重い。あの現象に、名前のついた出口がある。「積極的休養(アクティブレスト)」——あえて軽く動く休み方だ。私たちは学校で運動は習ったのに、休み方は一度も習っていない。今日はその一限目をやる。

休み方には「動く」と「止まる」の2種類がある

休み方は大きく2つに分けられる。何もしないで休む「消極的休養(パッシブレスト)」と、軽く体を動かして休む「積極的休養(アクティブレスト)」。散歩、ゆるいストレッチ、軽い泳ぎ——息が上がらない強度で血のめぐりを保ちながら休むのが後者だ。国の健康づくり運動「健康日本21」は、休養には疲れを取る「休む」と、明日への活力を蓄える「養う」の2つの側面があるとしていて、ごろ寝だけでは後者が埋まらない、という整理になっている。

疲れているのは、あなただけじゃなかった

ほぼ全員の話だ。日本リカバリー協会が全国の働く20〜79歳・75,759人に行った2025年の調査では、高い頻度で「疲れている」人が46.3%と、計測を始めた2017年以降で最も高くなった。「元気な人」は18.0%。つまり職場の2人に1人は疲れていて、元気なのは5人に1人しかいない。休み方が下手なのは、あなただけの問題ではなく、この国の集団的な技術不足だと私は見ている。

厚労省のサイトにも載っている「軽く動く休み」

厚生労働省のe-ヘルスネットは、休養・こころの健康の情報の中で、軽く体を動かして血行を保つ休み方を、疲れを早く抜くための方法として紹介している。また「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は強度の高い運動だけでなく、日常の中で体を動かすこと自体に価値を置く設計だ。ポイントは、積極的休養は「追加のトレーニング」ではないこと。強度はあくまで軽く、が前提になる。

「散歩というタスク」があれば、堂々と休める

頑張り屋が休めない理由のひとつは、休みが「停止」に見えることだと思う。何もしない時間には罪悪感が湧く。だから結局スマホを眺めて、休んだ気がしないまま夜になる。積極的休養の発明は、休みに「やること」を与えた点にある。散歩という名のタスクがあれば、頑張り屋は堂々と休める。休むのが下手な人ほど、実は「動く休み」から入る方が続く。

実は、この休み方はすでにビジネスになり始めている。日本リカバリー協会の「リカバリー(休養・抗疲労)白書2025」は、休養・抗疲労市場を2025年に7.6兆円と推計した。前年の約6.0兆円から1.27倍。リカバリーウェアの拡大が牽引役とされていて、昨日取り上げたVENEX×ドラゴンボールのコラボもこの流れの上にある。休み方が商品棚に並ぶ時代。休むことは、もう「技術」になっている。

休日の朝、20分だけ歩いてみる

  1. 休日の朝に20分だけ歩く。 強度の目安は鼻歌が歌えるくらい。それ以上は休養ではなく練習になる
  2. 仕事の合間に肩甲骨と股関節をゆっくり回す。 座りっぱなしの日の「動く休み」はこれで十分
  3. 朝に「今日は動く休みか、止まる休みか」を決める。 体が重いだけなら動く休み、眠気が強い日は迷わず寝る——使い分けが技術のすべて

体調がすぐれない日や痛みがある日は動かないこと。休養の主役は、いつでも睡眠だ。

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